恋する二人乗り
藤京子です。
実は、自転車の二人乗りにあこがれている。
昔、国語の授業で誰かがこんな短歌を詠んでいた。
二人乗り つかまれよって言われても 心臓の音 伝わっちゃうでしょ
ああ・・・いいなぁ。いいなぁ。いいなぁ。
常々こんなトキメキのある青春を送りたかったものだと思う。
さて、先日私が一人で自転車にのって稽古場に猛ダッシュしていたとき、目の前からラブラブな雰囲気で高校生が近づいてきた。
その高校生、男子も女子もそれぞれ自転車にのっている。
二人の恋は相当なボルテージの高さで、自転車にのっているにも関わらず手をつないでいる。なんという器用さだ。二人とも片手乗りで、空いた手を固く握りあい、うふふふ、はははは、と楽しげに視線を絡ませながら近づいてくる。
恋は盲目。二人は道を独占し、中国雑技団なみのバランス感覚でまっすぐ自転車をこぎながらいちゃつき続けている。二人が近づきすぎればペダルが絡まるだろうし、離れれば手を離さざるを得ない。絶妙の距離感を保ちながら二人は私とすれ違おうとした。
こら、自転車の併走はやめなさい!
と無言のプレッシャーをかけたいところであるが、あっさり恋のパワーに負けた・・・。
私はさっと自転車を降り、道をあけて二人を通した。
そしてしばらく二人の後ろ姿を見送ってしまった。
うらやましくないぞ!
アラサーだけど、私は一生心臓の音が伝わる二人乗りしかしないぞ!
と、どうでもいいことを心に刻みながら稽古場にダッシュした。
どなたか彼らのために恋の短歌を詠んでやってください。














